本書は、UCSFでの科学論文作法の授業から生まれた教科書で、英語を母国語とする若手研究者のためのものだが、日本人研究者にもものすごく役に立つ。第1部では、単語の選び方、文の構造、パラグラフの構造について、良い文章を書くためにどう考えるのかが論理的に示される。第2部では、論文を構成する序論、材料と方法、結果、議論の各ブロックに、何をどういった順序で書くべきであり、また何を書いてはいけないのかが、明確に理由付けされて著されている。
また、全編にわたり若手研究者の論文草稿が「例題」として示され、どう改善することでよりよい論文になるのかが具体的に示される。
科学論文をどう構成してよいのかについて迷いのある人は、是非本書を眺めてほしい。何かしらのヒントを得られるはずだ。
(原書は2000年に第2版が出版され、図表のまとめ方などに関するレクチャーが追加されている)