故メイナード・スミスの集大成ともいえる1冊。大量の参考文献を踏まえ、メイナード・スミスとサトマーリの生命観が、太古から現在、化学進化から社会の進化まで、幅広い時間的スケールと空間的解像度において論じ、展開される。
進化生物学の古典として位置づけられることが間違いないであろうこの良書が、すでに絶版となり、書店で日本語版が手に入らないという状況は痛ましい限り。朝日新聞社刊「生命進化8つの謎」は本書のダイジェスト版で、より新しい内容が加えられアップデートもされているが、議論が尽くされることによる各トピックの深みにおいて、やはり本書の方が優れている。